課題曲のカスタマイズについて

村田陽一_photo

課題曲のカスタマイズについて〜審査員村田陽一さんからのアドバイス〜

『全日本ブラスシンフォニーコンクール第2回大会』が行われます。
昨年から始まったこの吹奏楽コンクールは一味も二味も違う個性的で
自由度の高い吹奏楽コンクールです。

あくまでも「演奏者」が主役です。
参加する学校によって「演奏者の人数」「楽器編成」「演奏レベル」「志向」は千差万別だと思います。

それぞれの学校の「個性」を尊重するために、こちらが用意した課題曲は、それぞれの演奏団体によって「カスタマイズ(選択)」が可能な画期的な編曲を施しています。(曲の構成や楽器の割振りなどもカスタマイズ出来ます。)

今回の課題曲は昨年に引き続き、言わずと知れたスィングビッグバンドの代名詞ともいえる、グレンミラー楽団のレパートリーから「ムーンライトセレナーデ」を選びました。

グレンミラーは既存のビッグバンドとは異なった色付けを編曲に施すことで、個性的なサウンドを奏でることが出来ました。まさに本コンクールにピッタリな選曲だと思います。
今回も頑張って編曲しました!

こういった演奏面での自由度が高い上に自由にステージ上でパフォーマンスしてもかまいません。
第一回大会では「振り付け」「衣装コーディネート」「ちょっとした小芝居」などなど楽しいパフォーマンスが沢山ありました。

演奏者が「真面目に、真剣に演奏する」ことと「楽しんで音楽する」ということは共存できるハズです。

「楽譜を読んでそれをそのまま演奏する」という姿勢から、もう一歩踏み込んで自分たちのやりたいことに課題曲をカスタマイズし、それを「音」だけでなく「ステージングパフォーマンス」で表現してみてはいかがでしょうか?

※課題曲の「カスタマイズ」に関しては、編曲者から具体的なアイディアの例を参加者にアドバイス出来るような機会を設ける具体的な方法を現在模索中です。

今回の課題曲はグレンミラー「ムーンライトセレナーデ」です。
前のポストにも書いたように演奏者がある程度選択出来るような編曲になっています。

故にスコアを読むのがあまり得意でない指導者の方にはカスタマイズすることのハードルが高く感じてしまうかもしれません。
(もちろん書いてあるものをそのまま演奏するのでも十分に楽しめる内容になっていると思います。)

この曲はミディアムテンポのスウィングとボサノバのリズムで書かれています。
この「スウィング」はジャズ特有のいわゆる「ハネる」リズムです。

吹奏楽でもこういったリズムの曲を演奏する機会はあると思うのですが、普段からジャズを演奏している我々からすると、吹奏楽で演奏する「ハネ方」はかなり奇異に聞こえてしまっていて、「ジャズ」のそれとは異なっています。

でもこれはキチンと「ジャズ」のアーティキュレーションを体系化して説明すればおそらく30分で理解出来るようなことだと思います。

課題曲のカスタマイズのやり方、ジャズ、ポップスのリズムの捉え方など(指導者も含む)参加者にむけた講習会の実施を検討しております。